山口大学教育学部附属光学園 山口大学教育学部 附属光学園

本学への寄付

~ 三角形と四角形の構成要素に着目して~

 三角形と四角形の構成要素に着目して;2023/11/09

R5全国学習状況調査で,全国的に図形の問題の正答率が低いことが分かっています。特に平行線の中にできた2つの三角形の面積は同じ面積ですかという問題です。三角形の面積を求める公式は,底辺×高さ÷2ですね。なぜ今回正答率が低かったかというと,図の中に底辺の長さは書いてあり着目することができました。しかし,高さは書かれておらず,かわりに周りの辺の長さが書いてあり,その長さを高さと勘違いしてしまったのです。

2年生では,『三角形や四角形,正方形,長方形,直角三角形について,図形を構成する辺や頂点の数に着目し,図形を分別することを指導する。また,身の回りにある箱の形をしたものを取り上げ,立体図形について理解する上で素地となる学習を行う。基礎となる図形を構成する要素に着目し,それを基に考えていく態度を養う。』と,学習指導要領に書かれてあり,R5全国学習状況調査で間違えてしまった図形を構成する要素の一つである辺について,2年生では着目させる必要があるのではないかと考える。(高さは5年生で出てくるので,ここで教える必要はない。)

わたしは,図形を構成する要素をおさえるために,どんなところを見て○○さんは考えたの?と,常に着目するところをクラスで共有できるよう発問した。また,図形の共通点や相違点を常に意識させ,授業を展開していった。

1時間目では,「動物を囲もうゲーム」を行った。囲み方について友達同士での意見交換の際に「なるほど,そんな囲み方もあるのか」「すごい!」という声が多く聞こえた。そこで,「何がそんなにすごい!と感じているの?」と問うと,「直線が1本少なくても囲むことができている」「僕は,四角で囲んでいるのに,〇〇さんは三角で囲んでいる」と,図形を構成する要素の1つである辺の本数の違いや囲んでいる形の違いに気付くことができたのである。

2時間目では,子どもたちが動物を囲んだ形をそのまま生かし,仲間分けを行った。「これはこっち,これはこっち」と始めはわたしが理由も言わずに分けた。「これはどっち?」と子どもに聞くと,「こっち」とか「三角の仲間だよ」と言う声が聞こえてきた。そこで今度は,子どもに袋から図形を一つ取ってもらい,仲間分けを行った。その際,「なぜ〇〇さんは,三角の仲間に分けたのかな?」と違う子どもに問った。そうすることで,仲間分けを行った子どもの考えを学級全体で共有することができ,三角と四角の構成要素に着目できるようにした。

3時間目は,辺や頂点の概念形成を培う授業を行った。その後,好きなように三角形や四角形をかかせると,三角形の中に三角形をいくつもかき,素敵なデザインを作成していたり,四角形と三角形を組み合わせて,面白いデザインをかいたりしていた。

4時間目は,三角形と四角形を1本の直線で2つの形に分けると,どんな形ができるかを授業で行った。導入部分で,「ショートケーキを友達と分ける時にどんな風に切ってわける?」と問うと,私は,ホールの中心から外側に切るように切って,2つに分けるだろうと思っていたら,全く違う切り方で,横に切ってしまった。すると,子どもたちが,「イチゴが下の方の人は少ない!」と言って,私が「えっ?下ってどういうこと?」と問うと,ある子が掲示の形をなぞりながら「ここです」とみんなに伝えると,「その形,四角形に似ているね」と子どもから発言があり,私の思った形ではなかったが,形に着目することができた。そこから,三角形を2つに分ける活動を行うと「このように直線を1本入れると同じように三角形と四角形に分けることができます」と子どもたちの方からどんどん発想が生まれ,授業が展開されていった。すると,「末弘先生,三角形を2つに分けたら,三角形と三角形ができた」という声が聞こえ,「えっなんでそんな2つのパターンがあるの?」と問うと,何か分け方に違いがあるのではないかと,子どもたちは友達と分け方を比べ始め,共通点を見つけ出そうと一生懸命探していました。なかなか見つけることができそうになかったので,私は黒板に子どもが分けた2つのパターンをいくつも提示すると,直線の引きはじめと引き終わりに着目することができた。辺から辺に直線を引くことで三角形と四角形に分けることができることに気付くことができ,頂点から辺に直線を引くことで三角形と三角形に気付くことができた。私は何気なく黒板に,子どもたちの考えを貼ったが,次回はきちんと子どもの考えを整理するための方法として活用していきたい。その後は,四角形を2つの図形に分けることにも取り組んだ。そうすると,すぐに,三角形と四角形ができるパターンと四角形が2つできるパターンの線の引き方を見つけることができた。しかし,三角形が2つのパターンの分け方がなかなか出てこなかった。しかし,ある子どもが板書で赤色や黄色で囲んでいる所を見て,「先生,頂点から頂点までも線が引けるんじゃないかな」と言う発言が生まれた。その発言から早速実践する子どもたちが多くいた。三角形が2つ出来た子どもの驚きの顔は今でも忘れられない。

図形を構成する要素に着目させる活動を取り入れることで,自分たちの力で課題を達成することができたり,新たな発見をしたりすることができた。また,図形の共通点や相違点を常に意識させ,授業を展開することで,子どもに数学的見方・考え方が働き,目を輝かせ,前のめりになって取り組む姿が多く見られた。

Copyright © 山口大学教育学部 附属光義務教育学校(附属光学園). All Rights Reserved.
TOP